再生検波を含む真空管検波回路のメモ [SWL]
NHK の「新ラジオ技術教科書」と JA1FG 梶井OMの「通信型受信機の解説と実際」から再生検波を含めた真空管検波回路のメモです。
図が多いので分けます。
〔二極管検波〕
(回路例)
二極管の記号をダイオードに置き換えれば分かり易い。
(特性例)
6Z-DH3 の二極管部の検波特性
〔グリッド検波〕
(グリッド特性)
グリッド電圧対グリッド電流特性の立ち上がり部を使う。
(回路例)
(動作説明)
グリッドとカソード間で二極管が構成され、検波が行われ、その信号が増幅されてプレートに現れる。
(特性例)
6C6 のグリッド検波特性
〔プレート検波〕
(回路例)
グリッド検波に対してバイアスは深くなっており、グリッド電流は流れない。
(動作説明)
グリッド電圧対プレート電流特性を利用して検波している。
その為、シャープカットオフ管が向いている。
(特性例)
6C6 のプレート検波特性
〔無限大インピーダンス検波〕
(回路例)
カソードフォロワーとして検波された信号を取り出す。
(特性例)
76 の無限大インピーダンス検波特性
〔再生検波〕
(回路例)
プレート電流に含まれる高周波成分を入力側に帰還して感度を上げている。
(6C6での実例)
R は再生量が周波数によって変化するのを均一化するのに使用される。
「再生回路の等価回路」
(新ラジオ技術教科書の例)
単一の同調回路に置き換えて、再生(帰還)による効果を負の抵抗 -R1 として考える。
R2 は入力抵抗が同調回路に並列に入るので、これを直列抵抗に換算したもの。
R3 は内部静電容量を通して入力回路に及ぼす負荷効果(ミラー効果)。
(再生が働く条件)
M は相互コンダクタンス
Cr は再生コンデンサーの容量
Cgp はグリッド・プレート間の静電容量
(通信型受信機の解説と実際の例)
Rs 同調コイルの高周波抵抗
Ra アンテナ抵抗分
-R 再生(帰還)の効果を表す負の抵抗
「再生コイルの定め方」
JA1FG 梶井OMの方式
「可変結合式再生コイル」
カソード・コイルを可動式にして、その都度、結合度を手で変え、再生を安定させる。
「RF 増幅段」
(回路例)
上はグランデッド・グリッド・アンプを追加する例で、下は同調型の RF アンプ。
GG RF 増幅
費用と手数を考えると最も効果があると説明されている。
同調型 RF 増幅
再生回路によって信号が増幅されると、それを拾って発振が起こりやすい。発振させない事が重要。
その為、2連バリコンを使うなどは以ての外らしい。
2つのバリコンを別個にし、入力段のバリコンの最大容量をやや大きくしてアンテナの影響を補償するのが普通。
再生がかかった時の実効的なQはかなり高くなるため、RF 増幅段での選択度はほとんど影響しない。
「スクリーングリッド電圧の安定化」
再生検波に適した真空管は、NHK の「新ラジオ技術教科書」と JA1FG 梶井OMの「通信型受信機の解説と実際」とでは異なっており、前者が三極管、後者が五極管を推奨している。
後者ではカソードコイルによって再生をかけ、Sg 電圧を加減して再生度を調整する回路が普及したとある。この Sg 電圧の決め方は上述の図にある。
安定な再生を得るため、Sg 電圧の安定化も工夫されている。
(ネオン管 or 定電圧放電管)
(ツェナーダイオード)
〔再生検波の改善〕
再生検波の動作を安定させるための改善例
1.カソードフォロワー(再生・検波非分離型)
こちらはネットで見つけた回路例
カソードフォロワーでアンテナコイルの出力を受け、再生検波回路の影響を減らしている。
2.再生・検波分離型
マッケイ通信会社の再生検波
こちらはネットで見つけた回路例で、検波には三極管が使われている。
ラジオの製作 1971年12月号
最終的には、この方式がベストに見える。
この回路で、梶井OMの記述に従い、バリコンを2連から単連に置き換え、それぞれにバーニア・ダイアルを付けた 1-V-2 を作ってみたい。部品はプラグインコイル、シールド付きソケットなど、それぞれ集めているので、今の 1-V-1 を作ったら次回に挑戦したい。
図が多いので分けます。
〔二極管検波〕
(回路例)
二極管の記号をダイオードに置き換えれば分かり易い。
(特性例)
6Z-DH3 の二極管部の検波特性
〔グリッド検波〕
(グリッド特性)
グリッド電圧対グリッド電流特性の立ち上がり部を使う。
(回路例)
(動作説明)
グリッドとカソード間で二極管が構成され、検波が行われ、その信号が増幅されてプレートに現れる。
(特性例)
6C6 のグリッド検波特性
〔プレート検波〕
(回路例)
グリッド検波に対してバイアスは深くなっており、グリッド電流は流れない。
(動作説明)
グリッド電圧対プレート電流特性を利用して検波している。
その為、シャープカットオフ管が向いている。
(特性例)
6C6 のプレート検波特性
〔無限大インピーダンス検波〕
(回路例)
カソードフォロワーとして検波された信号を取り出す。
(特性例)
76 の無限大インピーダンス検波特性
〔再生検波〕
(回路例)
プレート電流に含まれる高周波成分を入力側に帰還して感度を上げている。
(6C6での実例)
R は再生量が周波数によって変化するのを均一化するのに使用される。
「再生回路の等価回路」
(新ラジオ技術教科書の例)
単一の同調回路に置き換えて、再生(帰還)による効果を負の抵抗 -R1 として考える。
R2 は入力抵抗が同調回路に並列に入るので、これを直列抵抗に換算したもの。
R3 は内部静電容量を通して入力回路に及ぼす負荷効果(ミラー効果)。
(再生が働く条件)
M は相互コンダクタンス
Cr は再生コンデンサーの容量
Cgp はグリッド・プレート間の静電容量
(通信型受信機の解説と実際の例)
Rs 同調コイルの高周波抵抗
Ra アンテナ抵抗分
-R 再生(帰還)の効果を表す負の抵抗
「再生コイルの定め方」
JA1FG 梶井OMの方式
「可変結合式再生コイル」
カソード・コイルを可動式にして、その都度、結合度を手で変え、再生を安定させる。
「RF 増幅段」
(回路例)
上はグランデッド・グリッド・アンプを追加する例で、下は同調型の RF アンプ。
GG RF 増幅
費用と手数を考えると最も効果があると説明されている。
同調型 RF 増幅
再生回路によって信号が増幅されると、それを拾って発振が起こりやすい。発振させない事が重要。
その為、2連バリコンを使うなどは以ての外らしい。
2つのバリコンを別個にし、入力段のバリコンの最大容量をやや大きくしてアンテナの影響を補償するのが普通。
再生がかかった時の実効的なQはかなり高くなるため、RF 増幅段での選択度はほとんど影響しない。
「スクリーングリッド電圧の安定化」
再生検波に適した真空管は、NHK の「新ラジオ技術教科書」と JA1FG 梶井OMの「通信型受信機の解説と実際」とでは異なっており、前者が三極管、後者が五極管を推奨している。
後者ではカソードコイルによって再生をかけ、Sg 電圧を加減して再生度を調整する回路が普及したとある。この Sg 電圧の決め方は上述の図にある。
安定な再生を得るため、Sg 電圧の安定化も工夫されている。
(ネオン管 or 定電圧放電管)
(ツェナーダイオード)
〔再生検波の改善〕
再生検波の動作を安定させるための改善例
1.カソードフォロワー(再生・検波非分離型)
こちらはネットで見つけた回路例
カソードフォロワーでアンテナコイルの出力を受け、再生検波回路の影響を減らしている。
2.再生・検波分離型
マッケイ通信会社の再生検波
こちらはネットで見つけた回路例で、検波には三極管が使われている。
ラジオの製作 1971年12月号
最終的には、この方式がベストに見える。
この回路で、梶井OMの記述に従い、バリコンを2連から単連に置き換え、それぞれにバーニア・ダイアルを付けた 1-V-2 を作ってみたい。部品はプラグインコイル、シールド付きソケットなど、それぞれ集めているので、今の 1-V-1 を作ったら次回に挑戦したい。
なつかしや、FGさん
50年前東京でお目にかかった
by JA1TANU (2022-02-18 07:03)
JA1TANU 様
ご訪問いただき、どうもありがとうございます。
私は残念ながらお会いした事がありません。
でも、中学1年で電話級を取得した時、JARL の会長さんでした。
JA1FG 梶井OMの「通信型受信機の解説と実際」を参考に、トリオのコイルパックと IFT、アルプスの周波数直線型バリコンで高1中2を作ろうとして未完のまま終わりました。
JA1FG 梶井OMは、書籍でしか存じ上げませんが、ずっと無線技術の師と仰いでいます。
by ktm (2022-02-19 11:15)