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太っ腹だよ! アナログ・デバイセズ [Other]

 なんと「OPアンプ大全」 PDF 版を無料でダウンロードさせてくれます。

これは、「米国アナログ・デバイセズ社が発行した2002 年版 “Op Amp Applications” の、のべ1000 ページにもおよぶ原著を、電子回路技術を専門とする訳者たちが、内容を理解しつつ労苦のうえで完成させた」ものだそうです。

第1巻から第5巻まであり、その内容は頗る充実しています。
目次だけ拾っても
第一巻 OPアンプの歴史と回路技術の基礎知識
 第1部 OPアンプの歴史
  第1章 イントロダクション
  第2章 電子管式OP アンプ
  第3章 ソリッドステート技術によるモジュール型およびハイブリッド型OPアンプ
  第4章 IC OP アンプ
 第2部 OPアンプの基礎
  第1章 イントロダクション
  第2章 OP アンプの回路構成
  第3章 OP アンプの構造
  第4章 OP アンプの特性仕様
  第5章 高精度OPアンプ
  第6章 高速OPアンプ

第二巻 OPアンプによる信号処理の応用技術
 第3部 特定用途向け増幅器
  第1章 計装アンプ
  第2章 プログラマブル・ゲイン・アンプ
  第3章 アイソレーション・アンプ
 第4部 データ・コンバータ周辺のOPアンプ
  第1章 イントロダクション
  第2章 A-D/D-Aコンバータの特性仕様
  第3章 A-Dコンバータ入力の駆動
  第4章 A-D/D-Aコンバータの基準電圧
  第5章 D-Aコンバータ出力のバッファリング
 第5部 センサ信号の処理
  第1章 イントロダクション
  第2章 ブリッジ回路
  第3章 歪み、力、圧力、流量の測定
  第4章 ハイ・インピーダンス・センサ
  第5章 温度センサ

第三巻 OPアンプによるフィルタ回路の設計
 第6部 アナログ・フィルタ
  第1章 イントロダクション
  第2章 フィルタの伝達関数
  第3章 時間領域の応答特性
  第4章 代表的なフィルタの応答特性
  第5章 フィルタの特性の変換
  第6章 各種フィルタの設計方法
  第7章 フィルタ実装上の問題点
  第8章 フィルタ設計の具体例

第四巻 OPアンプによる増幅回路の設計技法
 第7部 信号増幅器
  第1章 オーディオ用増幅回路
  第2章 バッファ・アンプと容量性負荷
  第3章 ビデオ信号増幅回路
  第4章 通信用増幅回路
  第5章 OPアンプ・アイデア集
  第6章 複合アンプ

第五巻 OPアンプの実装と周辺回路の実用技術
 第8部 ハードウェアとトラブル対策
  第1章 受動部品
  第2章 プリント基板設計の諸問題
  第3章 OPアンプ用の電源システム
  第4章 OPアンプの保護
  第5章 熱に関する考察
  第6章 EMIとRFIへの対策
  第7章 シミュレーションとブレッドボードとプロトタイピング
となっています。

第1部 OPアンプの歴史 を読んでみましたが、OP アンプの歴史が網羅的に書かれており、その発展過程が良く分かります。 モジュール型ではフィルブリックなどの懐かしい名前も出てきます。 秋葉原のジャンク基板に付いていた物でもとても高価でした。 IC 化された OP アンプでは μA709 が初めに出てきます。 これははじめて使った OP アンプでした。

URL は、http://www.analog.com/jp/content/op_amp_application_handbook_jp/fca.html?ss_ad_code=top_banner です。

学部の学生時代に読んだ Burr-Brown の Operational Amplifiers, Design And Applications が OP アンプのバイブルでした。 それから CQ 出版から出た岡村廸夫さんの「OP アンプ回路の設計」です。 この本は会社に入ってから人に貸してそのままになってしまい、残念に思っています。 Burr-Brown の本では英語の専門用語を身に付けました。 研究室の輪講があるので、徹夜で辞書を引きまくったのが懐かしいです。
この2冊を手本として、いろいろと研究室で使うアナログ回路を作りました。 AD 変換のプリアンプとサンプルホールド、帯域可変のローパスフィルタ、DA 変換の後のバッファアンプなどを作ったのが思い出されます。

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Rifle

一旦出版した物を無料公開するのって結構難しい問題があったりするみたいですが、こりゃー凄いですね。

by Rifle (2014-03-08 13:15) 

ktm

そうなんです。
それに Web では
「本書は、2014年3月17日より、CQ出版社にて書籍版(12,600円/5冊分の合本)も販売いたします」
とありますから、良く CQ 出版社が PDF 版の配布を認めたものだと思います。 天晴れ、アナログ・デバイセズです。

第1巻では、OP アンプの登場してくる前夜から始めて OP アンプと名前が付くところなど、知らなかった歴史を知る事が出来ました。
戦前から真空管で計装アンプを作り、そこからアナログ演算回路を経てアナログ・コンピュータに至る過程が面白かったです。
それで作られた米軍の火器管制システムは 90% の命中率を誇ったというのですから、勝てるはずがないですよね。
戦時中は特許まで公開されず、作ったベル研は回路図を入れずに説明を残したというのですからスゴイです。

by ktm (2014-03-08 13:43) 

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