Soft66RF 水晶発振回路の考察 [SDR]
Soft66RF 1号機(7Mhz版)の動作で信号が強い局は良いのですが、弱い局になるとぜんぜん受信できません。 そこで各部の波形を USB 接続のデジタル・ストレージ・オシロで観測すると、どうやら無調整水晶発振回路の出力が弱く、クロック波形が安定していないようです。 念のため水晶発振回路の動作を確認しようと LTSpice でシミュレーションし、回路をいじってみました。 その報告です。
① 水晶発振子モデル
LTSpice にはちゃんとした水晶発振子のモデルがありません。 ネットで検索すると下記の2つが見つかりました。
ⅰ) 水晶振動子
ⅱ) 水晶発振回路のシミュレーションと試作実験
そこでⅰ)に書かれていた 10Mhz のモデルを使い、シミュレーションしてみました。
② オリジナル回路の入力
これがもともとの無調整水晶発振回路です。
バイアス回路が特殊で、固定バイアス+エミッタ抵抗というものになっています。 幸い、これを解説しているところがありました。 まあまあの安定度のようです。
③ その動作ポイント
元の回路の動作ポイントです。
少しベースの電圧が高くなっているようです。
④ 修正後の回路
ものの本で無調整水晶発振回路を見ると、バイアス回路は電流帰還バイアスになっています。 また、水晶発振子には直列に容量を入れていますが、これは実際の回路修正では水晶発振子を取り外せなかったので、省きました。 下の図が修正した回路で、電流帰還バイアス回路にした他、エミッタ抵抗の値も 1kΩ に変更しています。
⑤ 修正後の動作ポイント
これが修正後の動作ポイントのシミュレーション結果です。
元の回路に比べてベース電流が少し減ってしまいました。 エミッタ抵抗をもう少し減らしてベース電流を少し増やす必要があるかもしれません。 これは実測で確認します。
⑥ 元の回路の波形
これが元の回路の波形です。上が分周回路のクロック入力波形で、下が分周回路の出力です。
クロック入力は抵抗分割された中点電圧にコンデンサで発振出力を加えています。 2.5V に発振電圧約 0.8V が加わり、分周回路をドライブしています。
⑦ 修正後の波形
これが修正後の同じ波形です。
LTSpice でのシミュレーションではもう少し発振電圧が大きかったのですが、期待したほどには改善できていませんでした。
DC カップリングだけでなく、AC カップリングでもクロック入力波形を見ていますので、それも参考に上げておきます。
⑧ 今後の課題
Soft66RF 1号機(7Mhz版)のクロック・ソースはこのままにして、Soft66RF 2号機(DDS-BASE版)にトライしてみるつもりです。 以前に DDS-BASE と Soft66RF 2台目を組んでケースに入れてあるのですが、その途中で DDS チップが ESD で壊れてしまっていました。 やっと追加で DDS-BASE を発注できたので、そちらで試してみるつもりです。 この DDS チップは、そのデータシートにも ESD が弱くて、メーカーの基準値を満たしていないと書かれています。 気を付けねば。
時間があれば1号機の水晶発振回路を同調回路を付加した発振回路に変更し、歪が少なくてもう少し発振出力が大きくなるクロック・ソースにする実験もしてみます。
それと Genesisradio の G40 も発注したので、これも組み立てる予定です。
① 水晶発振子モデル
LTSpice にはちゃんとした水晶発振子のモデルがありません。 ネットで検索すると下記の2つが見つかりました。
ⅰ) 水晶振動子
ⅱ) 水晶発振回路のシミュレーションと試作実験
そこでⅰ)に書かれていた 10Mhz のモデルを使い、シミュレーションしてみました。
② オリジナル回路の入力
これがもともとの無調整水晶発振回路です。
バイアス回路が特殊で、固定バイアス+エミッタ抵抗というものになっています。 幸い、これを解説しているところがありました。 まあまあの安定度のようです。
③ その動作ポイント
元の回路の動作ポイントです。
少しベースの電圧が高くなっているようです。
④ 修正後の回路
ものの本で無調整水晶発振回路を見ると、バイアス回路は電流帰還バイアスになっています。 また、水晶発振子には直列に容量を入れていますが、これは実際の回路修正では水晶発振子を取り外せなかったので、省きました。 下の図が修正した回路で、電流帰還バイアス回路にした他、エミッタ抵抗の値も 1kΩ に変更しています。
⑤ 修正後の動作ポイント
これが修正後の動作ポイントのシミュレーション結果です。
元の回路に比べてベース電流が少し減ってしまいました。 エミッタ抵抗をもう少し減らしてベース電流を少し増やす必要があるかもしれません。 これは実測で確認します。
⑥ 元の回路の波形
これが元の回路の波形です。上が分周回路のクロック入力波形で、下が分周回路の出力です。
クロック入力は抵抗分割された中点電圧にコンデンサで発振出力を加えています。 2.5V に発振電圧約 0.8V が加わり、分周回路をドライブしています。
⑦ 修正後の波形
これが修正後の同じ波形です。
LTSpice でのシミュレーションではもう少し発振電圧が大きかったのですが、期待したほどには改善できていませんでした。
DC カップリングだけでなく、AC カップリングでもクロック入力波形を見ていますので、それも参考に上げておきます。
⑧ 今後の課題
Soft66RF 1号機(7Mhz版)のクロック・ソースはこのままにして、Soft66RF 2号機(DDS-BASE版)にトライしてみるつもりです。 以前に DDS-BASE と Soft66RF 2台目を組んでケースに入れてあるのですが、その途中で DDS チップが ESD で壊れてしまっていました。 やっと追加で DDS-BASE を発注できたので、そちらで試してみるつもりです。 この DDS チップは、そのデータシートにも ESD が弱くて、メーカーの基準値を満たしていないと書かれています。 気を付けねば。
時間があれば1号機の水晶発振回路を同調回路を付加した発振回路に変更し、歪が少なくてもう少し発振出力が大きくなるクロック・ソースにする実験もしてみます。
それと Genesisradio の G40 も発注したので、これも組み立てる予定です。
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